11Mar
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23Aug
Posted by あちゃも/しおん in あちゃも
兵助が高熱を出した。
何の前触れも無しに熱を出したものだから、びっくりした俺は無理やり嫌がる兵助を連れて病院へ駆け込んだ。
診断は、疲れから来る突発性の発熱だそうで、解熱剤と点滴を打ってもらって俺たちは病院を後にした。
「病院まで行くこと無かったのに…」
「馬鹿、もし万が一のことがあったらどうすんだ。」
赤くなった顔を膨らませて大袈裟なんだとぼやく。
そんなだるそうな顔してどこが大丈夫なんだか。
「今日は自分の部屋に帰って寝てろ。後で看病に行くから。」
俺と兵助は部屋は違うが同じアパートに住んでいて、たいていは兵助が俺の部屋に入り浸っていた。
兵助の生活用品のほとんどが俺の部屋へと運ばれている。散らかっている俺の部屋よりは、すっきりと片付いた自分の部屋の方がゆっくり休めるだろうと思った俺は、兵助を自宅まで連れていった。
「やだ。」
「は?」
「はちの部屋で寝る。」
兵助は突っ立ったまま玄関から中へ入ろうとしない。背中を押して中へ入るよう促してもそっぽ向くだけで・・・
「でも俺の部屋散らかってるし、すぐ俺もこっちくるから。」
「やだ。はちの布団で寝たい。」
(ああ、くそ。そんな可愛い我儘言ってくれちゃって。)
熱のせいか、いつもは見せない表情や言葉を連発する兵助。仕方なく俺は兵助を自分の部屋へ連れていった。
部屋へ着くなり俺は兵助をベッドへと寝かし、まずは何か食べさせて薬を飲まそうと思いキッチンへ向かった。
何か食べるものがあったかな。そう思って冷蔵庫を覗けば何も無い。こんなときに限ってどうしたものか。
(飲み物も無いことだし、近くのコンビニに買いに行くか。)
「兵助、ちょっと買い物行ってくるから寝ててくれな?」
そう呼び掛けるとベッドからか細く「はち」と呼ぶ声がした。側へ寄ってみるとそこには涙を流す兵助が…
「どうした?苦しいのか?」
「うっ…頭、痛い。関節が痛いぃ。」
呂律が回らない口で涙を流しながら訴える兵助。これはちょっと様子がおかしいと熱を計ってみると・・・
「39度・・・。」
一瞬体温計が壊れたのかと思ったが、そうではないみたいだ。
「はちっ、どっか行っちゃ嫌だ。ここにいて。」
熱のせいで頭がおかしくなってる兵助はずっどポロポロと涙を流しながら行かないでと訴える。
こうなってしまっては放っておけるはずもなく。俺は携帯を取り出して電話をかけた。
「もしもし?兵助が熱出してぶっ倒れてさ、悪いけど、ポカリと食べるもの買ってきてくれねえか?」
そう言うと電話口では自分で行きやがれと反論する声、その声の主の後ろで、それは大変すぐ行くよ。という声がした。
予想通りの反応に笑いがこみあげる。
さすがに雷蔵に言われちゃあ逆らえないよな、三朗。
「頼むぜ。じゃあ待ってるから。」
まだ電話口で反論してくる声を無視して電話を切った。
兵助の方を振り返れば、まだ涙目で不安そうにこちらを見上げている。
「三朗たちが買い物行ってきてくれるってさ。俺はどこにも行かないよ。」
そう言って手をしっかりと握りしめてやれば、ようやく安心した表情になる。
「ずっとここにいるから、しばらく寝てな?」
「うん。」
ようやく目を閉じて寝始めた恋人。いつもは頑固で甘えたりはしないけれど、こんな時に頼ってくれるのは嬉しい。
「いつもこんだけ素直ならもっと可愛いんだけどな。」
握った手にそっとキスをして、俺は愛しい恋人の寝顔を見つめながら三朗たちが来るのを待った。
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ジャンピング土下座ー!!!
熱でボロボロ泣いて甘える兵助が書きたかっただけです(汗)
また挿絵でも描いてギャラリーに放り込んでおきますか・・・
読んでくださった人はネ申!!!!!